アーキプロダクツ

OWNER'S VOICE

OWNER’S VOICE ─お施主様の声─

プロライターが直接お施主様にお伺いした、生のお声をお届けします。

理想と現実を詰め込んだ二世帯住宅
成長とともに歩む
インナーテラスがつなぐ家

ARCHIPRODUCTS

■ お施主様情報

長尾様ご夫妻
福岡市博多区
木造二階建て

 

■ 注文住宅を検討された背景

「実は約10年前に、一度家を建てたのですが、その際に貴士さんに出逢ったんです。色々と相談しやすい人だなと思って、以来のお付き合いになります」。
長年の友人関係のような空気感で社長を見ながらお話を始めたご主人様。

「当時、両親と同じ校区内に家を建ててお互いに行き来できる距離感ではあったのですが、コロナ初期に父が他界しまして。母から『今後何かあったときが不安なので、二世帯にしたい』と相談を受けました」。

長尾様ご一家は、代々のご家業をご主人が三代目として継ぎ、現在も奥様、お母さまも一緒に働かれているという状況。

「私はお嫁に来て以来ずっと仕事をしているので、周りの二世帯事情などもまったくわからなかったのですが、あまり気を遣わずに、一緒に暮らせる形を取れたらなと思っていました。あとは…窓を大きくとった、開放的な間取りがいいなと思っていました」とお母さま。

「私たち夫婦とお母さんでいくと、間違いなくお母さんが一番気を遣う人なので、お母さんが気兼ねなく住める家にしたいな、と思いながら、貴士さんに相談させていただきました」と、奥様も当初のことを思い出しながら話してくださいました。

 

■ ARCHI PRODUCTSとの出合い

「とはいえ、二世帯ってまた色々と勝手も違うので、とりあえず貴士さんに相談して、ダメだったらほかをあたろう、とは思っていたんですが…できれば気心の知れた貴士さんにお願いしたいなと思っていたので、引き受けてもらえてほっとしました」とご主人。

一軒目のときの出合いは、複数の工務店やハウスメーカーをまわったものの、自分たちの好みや制約をうまく活かして予算内で設計してもらえたことが大きかったそう。

 

■ プランご決定に至った経緯

一度注文住宅を経験されているからこそ、「次はこうしたい」というご要望もあられたのでしょうか。
「そうですね、もちろん一軒目を建てたときは、自分たちなりのベストだったんですが、理想と住んでみての現実って、やっぱり違う部分もありまして。それはプランがどうこうというよりも、自分たちが想像していた生活と、実際に暮らし始めてからのギャップに気づく、といったところです。
図面をみながら『こんな風に生活する』をシミュレーションはしていましたが、いざ蓋を開けてみると、『あぁ、意外とここは使わないな』とか、『あれもあったらよかったな』といったことはやはり出てきます」。

ご主人の中では、お父様の跡を継がれたこともあり、生活が一変したことも大きかったようです。

「付き合いや会合も増えましたし、プレッシャーも増えました。一方でコロナもあり、オンとオフをしっかり区切りたいと考え始めたら、趣味が増えていきまして…ガレージにキャンプやロードバイクなどの装備も置けるようにしたかったので、一軒目よりも全体的に収納を増やしたいとリクエストしました。それと、結構台所に立つので、シンクやコンロなど、ギミックの効いたものを入れたいと、結構探し回って入れてもらいました。

それと、コロナの影響か、ウッドショックや半導体不足などなど大変なタイミングだって中で、建材・機器の選定を予算と照らし合わせつつ、見た目のレベルを損なわない様に、色々考えて貰えたことがポイント高いです」。

「逆に、『これは引き続き入れてほしい』と私がお願いしたのは、床暖房でした。あるのとないのとでは全然違います」と奥様。さらに、長尾家にはお子さん二人と二匹のワンちゃんがいるので、すべりづらい床にするため、今回はタイルを用いたプランに決定。

「犬たちがかなりうろうろしますので、土間と床をどう区切るかも凄く考えました」と、奥様が話されている間も、「僕にも話をさせてよ」と言わんばかりに会話に入ろうとする黒ラブくん。

外から見ると大きな一軒家に見えますが、実はインナーテラスでゆるやかに仕切られた二世帯というのも、長尾家だからこそできたプラン。

「お母さんも仕事に出られるので、家に帰ってきたらゆっくりしたいでしょうし、そうしたプライベートな時間もきちんと保つことのできる距離感が我が家には必要だなと考えました。そんな私たちの希望が、玄関、トイレ、台所、お風呂は完全分離にして、テラス越しにお互いの気配を感じることのできるプランで上がってきたときは『そう!こういうこと!すごい!』と感動しました」と奥様。

「朝起きて、ご飯を食べるときに、テラス側のブラインドを少しだけ開けるんです。これで、『起きてるよ』のサインにしています」とお母さま。そんな両家の間をつなぐインナーテラスを、ワンちゃんたちが自由に走り回って遊んでいるので、生活はしっかりと分けながらも、常にお互いの気配を感じる安心感も担保されています。

 

■ お引渡し後、実際にお住まいになられてのご感想

「趣味が多いので、僕がゲームをしたり趣味の時間を過ごすスペースを、自分たちなりの最適な場所に確保したいと相談し、完成した間取りに大満足!一軒目のときはリビングに浸食しがちだったので、奥さんが台所やリビングで寛ぎにくいということもあったのですが、今回はほどよい距離感を保つことができています」とご主人。

奥様も「今は、見上げたら主人が何かをしている様子は見えますし、かといって家事には差しさわりがない距離感なので、私も自分のペースで活動ができます」と、ご主人が一人の時間をゆっくり持てる環境になったことを喜ばれています。

また、ゆるやかに、やりたいことごとにお部屋をわけるという視点から生まれたポイントとして、客間も注目です。

「客間って、文字通りお客さんが来たときにしか使わないからもったいないじゃないですか。なので、一軒目のときはリビングをシアタールームにしていたんですが、今回は思い切って客間をシアタールーム兼用にしました。お陰様で、映画をゆっくり見たりもできますし、子どもたちもお友だちと一緒に遊んだりといった多様な使い方ができています」。

「あとは、お風呂ですね。お風呂に入るときに、外を眺めながら入りたいという希望を伝えました。近隣からの目線がまったく気にならないサイズと位置に、外壁の開口をつくってくださり、二面をガラス窓にしてもらったので、僕はほぼ電気をつけずに入っています。窓の外に見える星を眺めながらゆっくり湯船につかるのは至福です。これも二軒目だったからこそ芽生えた要望でした。

子どもたちはもちろんですが、私たちも、年月を重ねれば生活スタイルは変わっていきます。その変化に対応できる『幅』は、家づくりには大切だと思います。『こう使わなければならない』と決めすぎて自分たちの活動をそこに合わせすぎるのではなく、それぞれの成長を邪魔しないゆとりは大切だなと、二軒目を建てて思いました」。

そして、これから家を建てる方へのメッセージもいただきました。
「オシャレな家、個性的な家を造る人はどんな感じだろう?って緊張しそうですが、お二人共ほんわかした雰囲気とお茶目な所が随所にあり話し易く一緒に家造りする工程が楽しかったので、ぜひ気軽にお二人に相談して欲しいです。困ったことがあっても、誠実に対応してもらって助かってます。

それぞれ価値観違う者同士が一つのものを創り上げるので、色々な方のコメントに迷わず、合う合わないは直接お話ししてみることが一番良いと思います。
建築会社は色々ありますが、最終的には、個人の肌感覚で決めるべきだと思います!」

そんなご主人のお話に対し、奥様も
「さきほど主人も言いましたが、最初に建てた家では、コンセントの位置など生活してみないと気づかないことがありました。自分たちだけでそれをクリアするのは難しかったんだなと実感しました。

せっかくのマイホームだから、ちょっと今までと違う間取りや雰囲気に出来て、今までと違ったおもしろいつくりにすることを優先してしまい、実際生活してみたら、そんなことより、これをしとけば良かったなど後悔もありました。
今回はその後悔をしたくなくて、生活を優先重視したプランは大事にしたかったんです。

前の家では、子ども部屋はゆくゆく仕切ることができるような造りにしていたのですが、意外とうちの息子二人は仲が良くて、ずっと一緒に寝てたんです。なので今回も分けなくてもいいかなとも思いましたが、成長するにつれて、関係性も変わってくるかもなと思い、今回は最初から別々の部屋を設けました。結局、いまでも一緒に寝てるんですけど(笑)、まぁでも、それもケンカしたり、お互いの成長に合わせて変わってくる気もしますので、二人が過ごしたいように過ごせたらいいなと思っています。

 

でも、その生活優先の間取りでありながらも、それを憧れ通り、見た目良く、カッコよくしてくれるのが、貴士さんと真寿美さんなので、恥ずかしがらずに生活で大事なことを伝えて本当によかったと思ってます!夫婦のインテリアの好みが全然違うのをうまく融合してまとめてくれ、絶対夫婦喧嘩しなきゃいけないだろうなと覚悟していたくらいだったのに(笑)、最後まで楽しく打ち合わせでき、また仕上がりが2人とも気にいる家になったのは、本当ありがたかったです。

貴士さんのカッコいい設計に、自分たちだけじゃ迷子になるインテリアを真寿美さんが導いてくれたお陰であの家が完成したと思います」と語ってくれました。

 

 

□ 取材後記

お仕事に家事育児にとお忙しい二世帯を、生活動線はしっかり分けながらも、インナーテラスでゆるやかにつなげた長尾家。長い時間をともに過ごすうえで、最適な距離感というのはご家族の数だけそのスタイルも存在するものだと、お話をお伺いして改めて感じました。長尾家の場合は、気を遣わず、気配を感じる距離感が最適解でした。

ご両親がARCHI PRODUCTSのふたりと和気あいあいとしながら家づくりをされてきた様子を見ているからでしょうか、息子さんが「僕も将来、貴士さんに家を建ててもらう」と話してくれました。
そんな三軒目に向けて、これからも仲良く成長されていかれる姿を、このご住宅が見守ってくれることと思います。

 

(取材/後藤暢子)

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